第2話:手がかり

?(トト)「キュッ!」
メルク「みゅみゅ!ユウさん!あのモンスターがまだ癒されてないのですよ!最後くらいユウさんも頑張るのですよ!」
ユウ「さっきだって役に立ってただろ!?……しょうがない、いくぞ!」
?(トト)「キュッ!?」
?(トト)「……きゅう!」
メルク「うまくいったみたいなのですよ!みゅっ、ユウさん!このモンスターがティンクルシードをくれるみたいなのです!」
ユウ「ティンクルシード?」
メルク「癒されたモンスターが、自分を認めた者に渡す石のことなのですよ!ユウさんもこのモンスターに認められたのですよ」
?(トト)「きゅっ!」
ユウ「うわあ!?ちょっ、あんまり近づかないで!」
メルク「こんなに可愛いのに、ユウさんのモンスター恐怖症はなおらないのですね~。」
ユウ「ううう、うるさいな……!俺はモンスターが何考えてるかわかんないとこが苦手なんだよ!」
癒術士・エルト「やあ!さっきは大活躍だったね!君は将来偉大な癒術士になりそうだ!」
ユウ「この状況で、そのセリフ。絶対どの見習いにも言ってるだろ……。」
癒術士・エルト「よくわかったね!昔の仲間がとりあえずこのセリフを言っておけば好感度が上がると……。」
ユウ「今下がりましたけど!?」
癒術士・エルト「ははは。まあ、でも君が癒術士に向いていると思ったのは本当さ。」
癒術士・エルト「癒術士はモンスターを癒す仕事だ。モンスターと共に暮らすためにね。」
癒術士・エルト「だからモンスターを本当に嫌っている人にはモンスターを癒すことはできないんだ。」
癒術士・エルト「君はモンスターが怖いと言ってはいても、本当に嫌ってはいないんだろう?」
メルク「みゅっ?そうなのです?ユウさんがツンデレだったとは知らなかったのですよ~!」
ユウ「ツンデレじゃない……。」
癒術士・エルト「それにしても、そのモンスターは私も見たことがないな。」
メルク「みゅっ、そうなのですよ?せっかくなのです、ユウさんが名付けてあげるのですよ!」
ユウ「ええ?なんでだよ……。」
メルク「じゃあ、これからこのモンスターを『名無し』とでも呼ぶつもりなのですよ!?ひどいのですよ!かわいそうなのですよ!」
ユウ「そこまで言うならメルクがつければいいだろ。」
メルク「みゅみゅ~う、よし!今日からそのモンスターは『ダイフク』なのです!理由はモチモチしてそうだからなのです!」
ダイフク、ユウ「……!?」
ダイフク「きゅ、きゅ~っ!」
メルク「みゅ~、ダイフクも泣くほど気に入ったみたいなのですよ。」
ユウ「どうみても嫌がってるだろ……。」
メルク「みゅっ!?そうなのでしょ!?」
メルク「……そう言うならユウさんが決めればいいのですよ!みゅーんっ!」
ユウ「(さすがにダイフクはかわいそうだ)よし、じゃあ……、『トト』!お前の名前はトトだ!」
トト「きゅっ!」
癒術士・エルト「いい名前じゃないか。やっぱり君は癒術士に向いているよ。そのモンスターも喜んでいるしね。」
ユウ「あ、ありがとうございます……。と、ところで!仲間の方たちとはどこで会ったんですか?」
癒術士・エルト「ああ、それは紹介所さ。」
ユウ「紹介所……、そういえば村の外れにそんなものがあったような……。」
ユウ「アイオスさんともそこで出会ったんですか?」
癒術士・エルト「いや、あいつは昔からの知り合いでね。私一人では方角すらわからんだろうとついてきてくれたんだ。」
癒術士・エルト「そういえば、あいつの居場所だったな。今はエストアという村にいるはずだ。この村から東だね。」
ユウ「……。」
メルク「……あとで地図の確認を忘れられないのですよ。」
癒術士・エルト「それじゃあ、私は仲間の下へ戻るとしよう。確か村の南の宿だったか。」
ユウ「エルトさん!」
癒術士・エルト「はっはっは、礼には及ばんさ。」
ユウ「そっちは北です。」
癒術士・エルト「……ありがとう。」
ユウ「……いえ。」


ユウ「さてと、ここが紹介所か……。今まで来たことなかったな……。」
メルク「それにしてもいったいどうして紹介所なんて知りたがっていたのです?」
ユウ「どうしてって、旅に出るには仲間が必要だろ?」
メルク「確かに、私もユウさんも戦闘力皆無で、今回も後ろで隠れてただけですけど。旅に出るって……。」
ユウ「エストアの村にいくんじゃないのか?」
メルク「え?それは行きたいとは思ってましたけど、ユウさんのさっきの怖がりようをみてこりゃだめだと……。」
メルク「まさか私のためなのです!?だ、ダメなのですよ!」
メルク「貧弱なユウさんなんて村の外に出たら、まず野営の仕方がわからず、かつご飯も作れなくて、すぐ泣いて帰ってくることになるのですよ!」
ユウ「そんな見てきたように!?だ、大丈夫に決まってんだろ!?ご飯の作り方くらいわかるっつーの!」
ユウ「それに、メルクは一人じゃどこにも行けないんだから、友達に協力してやるのは当然のことだろ。このままだと母さんに無理やり癒術士にされそうだし。」
メルク「ユウさん~!み、見直したのですよ!このまま村で、」
メルク「これは俺のやりたいことじゃない、俺はもっとビッグな男になるんだ!」
メルク「とか言って親のすねをかじっていくのかと思っていたのですよ……!」
ユウ「お前の中で俺そんなダメなやつだったの!?」
メルク「なーんて、冗談なのですよ。私、ユウさんの元にたどり着いて、良かったのですよ。」
ユウ「……そうかよ。じゃあ、一緒に旅をしてくれる仲間を紹介してもらうか。」
メルク「はいなのですよ!」

第一部一章

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