第108話:アイオスについて

ジェンガ「ば、バッカモーン!」
エスカ「ご、ごめんなさい!」
ジェンガ「モンスター研究者の端くれともあろうものが自分で生態系を壊しかけてどうするんじゃい!しかも卵を盗んだじゃと!?カーッ、情けない!」
ジェンガ「モンスターは紙の上の数字でも、文字でもないわい!ちゃんと生きて、わしらと同じ世界にすんでおるんじゃ!」
ジェンガ「ともに生きていく者への思いやりを忘れるとは、……だからおまえは研究者として認められんのじゃ!」
エスカ「……!」
フィーリア「……モンスターにも心がある。あなたにとっては卵はただの研究対象かもしれないけど、彼らにとってはそうじゃない……。」
エスカ「僕は……、どうしてモンスター研究者になりたいのか、いつのまにか忘れてた。」
エスカ「僕はモンスターが好きで、だからもっと知りたいと思ってたんだ……。」
ジェンガ「ふん、初心にかえってまたはじめるんじゃな!」
ジェンガ「そうしゅッ……!」
メルク「い、入れ歯が飛んでいったのですよ!」
エスカ「ぼ、僕、初心に戻って入れ歯拾いから始めますッ!」
ユウ「それはなんか違う気がする……。」

ユウ「ジェンガさんとの待ち合わせってここだよな……。」
メルク「合ってるのですよ!ジェンガさんからアイオスさんの場所が聞ければ……。」
ユウ「……いよいよだな。」
メルク「……なのですよ!」
ユウ「村にいた頃はこんなところまで旅をするなんて思ってもみなかったな……。」
ユウ「癒術士のエルトさんが村にやってきて、物知りなアイオスさんがメルクのことを知ってるかもしれないって聞いて……、」
ユウ「それからフィーリアやアレク、ステラ、シエットも旅に加わってさ。」
メルク「あのヘタレなユウさんが癒術士になると決めるなんて想像だにしていなかったのですよ!」
ユウ「ヘタレって……!」
メルク「……でも、ユウさんが優しいことは、ずっと知っていたのですよ。だから……、」
メルク「ありがとうなのですよ!私、ユウさんのもとに辿りついて、本当によかったのです!」
ユウ「そ、そうかよ……。」
ユウ「……なあ、メルク。もし自分のことがわかったら、メルクは……、、」
ジェンガ「おお!待たせてすまんのう!」
ユウ「あ、いえ。」
ジェンガ「今日は、エスカが迷惑をかけたな。それで、わしに聞きたいことがあるそうじゃな?」
ユウ「あ、……はい。俺達はこの村にいるアイオスという人に会いに来たんです。どこにいるか、知りませんか?」
ジェンガ「アイオス……!懐かしい、名じゃな。」
ユウ「懐かしい……?」
ジェンガ「うむ。アイオスはこの村におった。……数年前のことじゃがな。」
メルク「みゅみゅっ!?まさか今はこの村にいないのですよ!?」
ジェンガ「そのとおりじゃ。数年前、学問都市で大きな研究発表会があってな。その発表会に出席すると言って村を出たのじゃ。」
ジェンガ「そしてそれきりかえってこん。行方もわからんのじゃ。」
ユウ「そうだったん、ですか……。」

ジェンガ「……エスカを弟子にとったのは、あやつとどこか似ておったからかもしれんな……。」

第一部三章


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